クローバー
旧校舎?
この学校は2つ校舎が連なっており、1つは生徒がよく利用してしている新校舎。
もう1つは、もう使われていない旧校舎に別れている。
シーンと静まり返っている旧校舎は、岡山の足音だけが木霊する。
私はバレないよう、足音と気配を消して尾行する。
ここ、かなり古いな。独特な雰囲気が漂うこの校舎。気を抜いたらギシッと床の音が鳴りそうだ。
なんか.......出そう.......。
嫌だな。苦手なんだよこういうの。
ガラッ!
ビクッ!
な、な、なんだ。
岡山がドアを開けた音か.......
窓越しに部屋の中を覗く。そこは理科室のようで、岡山は1番奥の戸棚まで進んでいくのが見える。
なるほどな。確かにここなら、誰も使うことも無いしバレる心配もない。それに、警察も学校の中までは調べることも出来ない。
不良もこんな不気味な校舎たまり場に選ばねぇーわな。
1人納得していると、岡山が袋に入った飴らしき物をとり、飴があった場所に金を置いて教室から出ていった。
岡山の足音が完全に聞こえ無くなったのを確認する。
1人校舎に残された私。
べ、別に怖くなんてないし。
そ、それより早く、証拠持って帰ろ。
扉に手を伸ばす。
ちっ。鍵が閉まってる。
旧校舎とはいえ念には念をか。
はぁ。こりゃ岡山に近づいて鍵をかっさらうしかないな。