クローバー
シャワーから出て、髪を乾かし制服を着てリビングに向かった。
ん?
リビングから声がする。
廊下で立ち止まって耳を澄ます。
高い女性特有の声と、男性の低い声が聞こえる。これは母さんの声だ。家に帰って来るなんて珍しいな。それに男の人。
恐る恐る扉を開ける。
バチッ
入った瞬間1番最初に目に入ったのは、ソファに制服を着て座っている4人の男。
恐らく高校生だろう。
4人ともどことなく顔が似ていて、綺麗な顔立ちをしている。
「おはよう!文乃!そんなとこに突っ立っ
てどうしたの?」
母さんの声がする方に顔を向ける。久しぶりに見た母さんはなんにも変わって居らず相変わらず濃い化粧と強い香水を身にまとい魔女のような笑顔を浮かべていた。
「どうしたのって.......。この人たちだ
れ?」
「あっ!文乃に言ってなかったはね!
ふふふっ。私結婚することにしたの。」
母さんは嬉しそうに呟く。こんな笑顔初めてみた。それに私の意見はどうでもいいんだな。この人が自分の事しか考えてないって知ってたけど、結婚って.......
「それでね、こちらの方が私の結婚相手の
如月孝《きさらぎ たかし》さん。そし
て、あそこのソファに座ってる子達が
貴方の兄弟になる人達よ。」