クローバー
「「「は?」」」
見事なハモリ。それも皆ドスがきいてる。
お姫様なんか、口空いてる。それ、絶対閉じた方がいいと思う。
「お前ここがどこだか分かって言ってんのか?あ?!」
「火蓮の倉庫。」
「そこじゃねぇ!!」
じゃあ、どこだよ。
「大声で怒鳴らないでくれる?うるさい」
私の態度に驚く金髪。もとい、播戸翔《ばんど かける》全員名前は把握済みだ。
「流星、あの子こわい!」
猫撫で声で、流星の腕にしがみつくお姫様。全く、可愛いねー。その化けの皮が剥がれたらもっと可愛い顔するんだろうな。
「りか、大丈夫。俺が守るから」
流星が優しく佐々木の頭を撫でる。
どんな茶番劇だよ。
そいつらをチラっと見ながら、この中で1番まともそうな 塩月蒼《しおつき あおい》が播戸をなだめながら、私に優しく言う。
「翔落ち着け。四宮さん?だっけ。ここは君みたいな女の子が来ていい場所じゃない。今なら、何もしないで帰してあげる。だから帰りな。ね?」
まるで、妹に言い聞かせる兄のように。