クローバー
火蓮の絆
ざわざわと、火蓮の連中が騒がしくなる。
佐々木に視線が刺さる。
「らい…おん?何を言ってるんだお前?
りかは、俺達火蓮の姫だぞ?」
困惑気味な、東雲。
ゆっくり、ゆっくり起き上がる佐々木。
頬をはらし、目に涙を貯め、泣きそうな声で訴える。
「どうして?どうしてそんな意地悪言うの?!雷音なんて言う暴走族私知らない!!私が火蓮の姫だから妬んでるんでしょ?デタラメ言わないで!!」
そして、東雲に近づき上目遣いで頬が痛い痛いと泣く。
「流星は、あの女の言うこと信じるの?」
猫なで声で言う。
下っ端の奴らは佐々木の本性を知っているため、若干引き気味である。
播戸、塩月もかなり酷い顔しているが、1番やばいのは奏多。
そんな冷たい目で見ないであげて
とってもとっても可愛いじゃないか。涙でメイクが落ちてパンダみたいで。
写真撮ってばら撒きたいくらいに、私は好きだぞ。
「りか、俺はお前を信じるぞ。本当に雷音の姫じゃないんだよな?」
コクコクと頷く佐々木。
そして、憎むようにギロリと私を見るお姫様の目を東雲はしらない。
お姫様の事を誰よりも信じる王子様。
なんて美しい恋物語。
そして、私はお姫様を妬む悪い魔女ってか
まー、東雲みたいに真っ直ぐで一途な奴が簡単に私みたいな奴の事を信じるはずがない。そんなの、最初から分かってた。