クローバー
卑怯な奴が考えそうな事だ。
はっきり言って、こいつら暴走族がどうなろうと私にはどうでもいい。
そう、どうでもいいのに…
どうしてだろか、これを捨てられなかった。
一緒のテーブルを囲って、一緒の物を食べているうちに情がわいてしまったのだろか。
分からない。
ほんと、これを捨てなかった私に感謝して欲しい。
ねー、奏多。
シーンと静まり返った倉庫。
誰も喋らない
いや、喋れない。驚きで。
焦る、佐々木。
信じられない。信じたくない、嘘であってくれと願う東雲。
ひしひしと伝わる嫌悪の眼差し。
「どういことだっ!?佐々木!!」
播戸が怒鳴る。
「ち、違うのこれは!!!!」
「あ?はっきりとテメェの名前を言ってたじゃねぇかよ!!お前、俺らを騙したな!!!」
「騙してなんかない!!!あの女が私を落とし入れようとしているだけ!!信じてよ!!!ねぇー!皆!!!」
悲鳴に近い佐々木の声。もう誰にも届かない。
「流星!!流星なら私の事信じてくれるよね!!!」
東雲は答えない。ただ、ただ、泣きそうな、苦しそうな顔をし佐々木を、見つめるだけ。
「佐々木、あんたはもう終わりだ。なんと言おうと、お前の声はここの奴らには届かないよ。」