クローバー
カラン
ナイフの落ちる音が響く
「そこまでだよ。」
ナイフを受け取めようとしていた私の目の前には毎日のやように見る背中。
佐々木の腕は奏多によって強く捕まれている。
「離せっ!離せっ!!」
「離すわけないじゃん馬鹿なの?よくも俺の大事な人傷つけようとしてくれたね。殺される準備は出来てるんだろうな。」
奏多の聞いた事のないよな低い声。
私に言われてないと分かっていても、ビクリと体が揺れる。
「ひっ!!」
真正面から聞いている佐々木は、ブルブルと震え出す。
「それと、流星が冷たい人間って言葉取り消せよ。あいつは、誰よりも人を信じてるこができて、誰よりも、人に寄り添うことのできる優しい奴だ。お前みたいクズが流星を貶すことは許さない。」
東雲が、唇を噛んで奏多を見ている。
「お前は…」
「ストップ!!」
奏多、お前はかっこいいよ。
ここの奴らが誰も言えなかった事をお前は言った。それどころか、その気持ちを貫いた。
でもな、その先を言うのはお前じゃない
その言葉を言うのは…
「東雲。お前はいつまで奏多に甘えるつもり?」