クローバー
東雲の弱った目と、私の目が合う。
総長のお前が逃げる事は許さない。私は強く強く東雲の瞳を貫く。
「俺は…、信じ、たく…ない。」
「は?」
私の中でイライラが積もる
「りかが…、そんな…」
ズンズン東雲の方へと進む。ブツブツと弱音を吐くこの男の胸ぐらを掴む。
周りの奴らの目が見開いていくのがわかる。当たり前だ。自分たちの総長が女に胸ぐら捕まれたらそりゃおどろく。
「ふざけてんじゃねーぞ!!!下はお前信じて着いて来てんだよ!!それなのに、お前が現実から目背けてどうするだよ!お前なんかより、奏多達の方がずっと辛い思いしてる。裏切られても、辛い思いしても、それでも、お前だから、どこまでも真っ直ぐな、お前だから!離れずそばにいるんだよ!!」
そんな情けない顔みせるなよ。
「最後まで、信じてくれた仲間と真っ直ぐに向き合えよ。それが、下のやつらへやれる唯一の償いじゃないのか?」
東雲は私の言葉に、1度瞳を閉じる。
そして、開かれた瞳の中にはもう弱さわない。
胸にある私の手をどける。
そして小さく、「ありがとよ」と呟いた。