クローバー

思わぬ出会い。

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桜が散り、緑の葉が生い茂る木の下。私は今日から転入、もとい潜入する城南高校へと続く道を歩いている。


歩きながら、スマホを手に取りある人に電話を掛ける。


「おはようございます。ボス。
今、お時間よろしいですか？」

「おはよう文。構わないよ。文との時間だったらいくらでも空けよう」


電話越しの相手に思わず苦笑いをする。
そんな時間あったら仕事してください。


「他の部下にはそんな事言わない出くださ
いね。」


「文！！！嫉妬してくれたのかい？嬉しい
な！！今日は記念日にしよう！！でも安
心して、君以外の人間に僕がこんなこと
言うはずないだろ？文は相変わらず可愛
いな♡」


何がどうなってそうなった。てめぇの頭ん中はお花畑か。先ずハートをやめろ。いい歳こいて気持ち悪いぞ？


「違うわ！！！貴方がサボった分の仕事は私に回ってくるんです。だから.....................働けよクソボス。」


最後は気持ちが篭もりすぎて幾分声が低くなってしまったが致し方ない。ひっ！とかいう声は無視だ無視。


「今、城南高校に到着したので任務に間違えがないからもう一度確認しておこうと思って。今回のターゲットは1年の岡山裕司《おかやま ゆうじ》。麻薬所持の疑いでしたよね？」


「ああ。そうだ。本部の方でも調べたんだがな、なかなか尻尾を掴めなくてな。恐らく、警察の手が及ばない学校内で取引が行われてるんだろう。岡山だけじゃなく周りにも目を光らせといてくれ。」


「了解です。それと.......。」


「ん？どした？」


言いたくない。すっごい言いたくない。
言ったら本当に現実になりそうで嫌だ。
いやもうなっちゃってるんだけど.......


でも言わないと、バレた時めんどくさいからなー。意をけして言葉をしぼりだす。

「.......。義兄弟が出来ました。」