クローバー
「似てるよ。お前らはそっくりだ。性格は確かに真反対だけど、根っこは一緒だよ。」
「根っこ?」
「仲間を守りたいっていう情熱。」
驚いたように私を見る。そして照れ隠しのように私を睨む。
私睨まれてばっかだな。
「なんだよそれ。あんたってホント変わってる。変なとこばっか見てんのな。」
「そう?誰だって分かりそうな事だよ」
「馬鹿でしょ。あんたみたいに俺たちの事を見た目じゃなく、性格までよく見るヤツなんてそういないよ。ほんと変わってる」
「貶してんの?褒めてんの?どっちなの?」
「貶してるに決まってんじゃん。」
「サヨウデスカ。」
悪かったな変わってて。
「それに、俺たち火蓮の姫の事も知ってるし。ボイスレコーダーとか勝手に証拠集めてるし。一体どこから仕入たんだよって感じ。口も悪くなるし、しまいにはあのクズ女にビンタかますし、まじこいつなんなのって思ったよ。」
あれ?私やばくない?
めっちゃ怪しまれてる!!!!
これはどうやって説明するんだ私!?
てか、もう無理じゃない?!
これからくるであろう奏多からの追求にビクビク脅える私。
「文乃」
ビクッ!私の肩が揺れる。冷や汗が背中を伝う。
「俺は聞かないよ。」