クローバー


「似てるよ。お前らはそっくりだ。性格は確かに真反対だけど、根っこは一緒だよ。」


「根っこ?」


「仲間を守りたいっていう情熱。」


驚いたように私を見る。そして照れ隠しのように私を睨む。


私睨まれてばっかだな。


「なんだよそれ。あんたってホント変わってる。変なとこばっか見てんのな。」


「そう?誰だって分かりそうな事だよ」


「馬鹿でしょ。あんたみたいに俺たちの事を見た目じゃなく、性格までよく見るヤツなんてそういないよ。ほんと変わってる」


「貶してんの?褒めてんの?どっちなの?」


「貶してるに決まってんじゃん。」


「サヨウデスカ。」


悪かったな変わってて。


「それに、俺たち火蓮の姫の事も知ってるし。ボイスレコーダーとか勝手に証拠集めてるし。一体どこから仕入たんだよって感じ。口も悪くなるし、しまいにはあのクズ女にビンタかますし、まじこいつなんなのって思ったよ。」


あれ?私やばくない?
めっちゃ怪しまれてる!!!!


これはどうやって説明するんだ私!?
てか、もう無理じゃない?!


これからくるであろう奏多からの追求にビクビク脅える私。


「文乃」


ビクッ!私の肩が揺れる。冷や汗が背中を伝う。


「俺は聞かないよ。」




< 80 / 117 >

この作品をシェア

pagetop