クローバー

体育祭「校長先生編」

ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー


雲ひとつない青空。
憎らしいほどな自己主張をしてくる太陽。まっ黒焦げになってしまうじゃないか。


「えー、今日は体育祭日和と言っていいほどの快晴で.......」


前で校長が長々と喋っている。
生徒は誰一人として話を聞いていない。


可哀想じゃん。誰か1人くらい話聞いてやれよ。ストレスで禿げちゃってるし


「あれは元々だよ?」


ぎゅっと腰に巻きつく太い腕。そして、眠たげな声。


「瑠衣。暑いから離れてくれる?」


あと、周りの視線が気になるから離れて欲しい。


「嫌だ」


嫌だって.......。私も嫌なんだけど。こうなったら力ずくで。


しかし、瑠衣の腕を解こうすればする程巻き付く腕の力は離すまいと強くなる。なんなのこの子。コアラか何かなのか?


思わずガクッと項垂れる。


「あっ!!!ふーちゃーん!!」


そして更にめんどくさい奴が現れる。


私達を見つけると、一際でかい声を発してこちらへ突進してくるイノシシ。いや間違えた、悠斗さん。


「おはようー!!!!」


待て待て待て!!!なんで止まらないの?!このままじゃ.......、頭の中で最悪な状況がグルグルと回る。


ドンッ!!!


「うおっ」


後ろに倒れそうになるのを瑠衣が支えてくれる。あ、危ない.......。


「悠斗さん!!危ないでしょ?!」


「ごめんね。ふーちゃん見つけたら足が勝手に動き出しちゃって。」


私のお腹に抱きついて上目遣いで見てくる悠斗さん。


うっ、可愛い。絶対この人計算だ。こうしたら許されると思ってるんだ。
私は絶対.......だまされ.....................。


うん、可愛い。可愛いは正義だよな。

< 83 / 117 >

この作品をシェア

pagetop