クローバー
バシッ
「そんなわけないだろ」
「いたっ!何すんの奏多。」
「バカな事考えてたから、叩いて頭治してあげようと思って。」
叩いてって、私は昭和のテレビか何かなのか?
「てか、瑠衣も奏多もなんで私の考えてる事が分かるの?」
瑠衣が不思議そうに呟く。
「文、全部言葉に出てたよ?」
まじか。傍から見たら私ちょー変わった奴じゃん。
「そんなことより、あんたらいつまでそんな格好してるの?」
不機嫌そうに奏多がこちらを睨んでくるが、私もしたくてしてる訳じゃない。瑠衣と悠斗さんのサンドウィッチで女子の視線が怖すぎる。
「嫌だ!!瑠衣君が離れなよ!」
「俺も.......嫌だ。」
私の肩越しにバチバチと戦闘を繰り広げている2人。私を挟まず何処か他所でやってくれないかい?ほら、あそこにある太い木なんておすすめだよ?
そして奏多からひしひしと私に突き刺さる視線。そんなに私を睨まないでくれ。私だってどうにかしたいよ。
「てか瑠衣くん達仲悪かったじゃん!?僕の方がふーちゃんと先に仲良くなったんだから僕に譲ってよね!!」
「1番最初に文とご飯食べたのは俺。だから俺に譲って。」
「そんな事どうでもいいから離れてくれないかな?」
「どうでも良くない!!!!」
2人から勢いよく返事がかえってくる。
えー、もう面倒臭いんだけど。どっちでもいいよそんなこと。
そんな2人をバカにしたようにふっと笑う奏多。凄く嫌な予感。
「1番最初に文乃のバイクの後ろに乗ったのは俺だけどね。抱き心地最高だったよ。」