クローバー
"大切な人"
そう聞いて一瞬よぎったあいつらの顔。
しかし、今は関係ないと頭を振って忘れる。
集中しろ。周りを見渡して着いてきてくれそうな人を探す。
隆二さんは怪しまれるし、奏多達は女子が怖いし…。あれ?居なくね?!
これじゃあ私もさっきの子達みたいに路頭迷う事になる。
「おっとー、四宮選手が動かなくなったー!まるでムンクの叫びのような顔だ!」
放送うるさい!!確かにそんな顔しててけど!!
あ……。
無駄にイケメンで何がそんなに面白いのか爆笑している男と目が合う。
私はそいつのとこ走りよる。
「ちょっと来て!!」
返事を聞かず、腕を掴んでゴール地点まで全速力で走る。流石普段から鍛えているだけあって、息一つつくことなく私についてくる。
「四宮さんゴール。さてお題は何ですか?」
「えっとー、大切な人です。」
私がお題を言った瞬間生徒から一斉にキャー!と歓声が湧く。
「じゃあこの方が四宮さんの大切な人なんですか!!!」
「はい、そうです!」
私が答えるよりも先に、隣のヤツが答えやがった。
「相思相愛だーー!四宮さん合格です!ゴールおめでとうございまーす!!」