背伸びしても届かない〜恋を知った僕は、君の心に堕ちていく〜
変化
電話を切った尚政は、がっくりと肩を落とした。まさかこんなことになるとは思わなかった。
自室の床に座り込むと頭を抱える。
『急で申し訳ないのですが、北海道本社への勤務をお願いしたいと思っております』
尚政は関東支社での勤務を希望していたが、新入社員の希望が通るはずがない。これが決定事項であることは明白だった。
ただ……頭に浮かんだのは一花だった。正直に話すしかない。一花はどんな反応をするだろう。もうお終いかな……それとも一花のことだから、続けようって言ってくれるかな。
そこまで考えてはっとする。尋人よりも先に一花のことを気にするなんて初めてのことだった。それほどまでに一花の存在が生活の一部のようになってしまったんだ。だからこそ一花の反応を怖がっている自分がいる。一花のことが大切過ぎて、いつか彼女に拒絶される日が来るんじゃないかと思うと怖くなった。
でも彼女が離れないのなら、曖昧なこの関係を続けようとするずるい俺がいる。
その時にタイミングよく一花からメールが届く。
『無事合格しました!』
尚政の中に喜びと安堵と不安が湧き起こる。俺はどうしたらいいんだろう……。そして尚政もメールを打つ。
『おめでとう! 今年は一花の誕生日と合格祝い会をしよう』
この日にちゃんと自分の口で伝えよう。目の前で一花の想いを聞くために。
自室の床に座り込むと頭を抱える。
『急で申し訳ないのですが、北海道本社への勤務をお願いしたいと思っております』
尚政は関東支社での勤務を希望していたが、新入社員の希望が通るはずがない。これが決定事項であることは明白だった。
ただ……頭に浮かんだのは一花だった。正直に話すしかない。一花はどんな反応をするだろう。もうお終いかな……それとも一花のことだから、続けようって言ってくれるかな。
そこまで考えてはっとする。尋人よりも先に一花のことを気にするなんて初めてのことだった。それほどまでに一花の存在が生活の一部のようになってしまったんだ。だからこそ一花の反応を怖がっている自分がいる。一花のことが大切過ぎて、いつか彼女に拒絶される日が来るんじゃないかと思うと怖くなった。
でも彼女が離れないのなら、曖昧なこの関係を続けようとするずるい俺がいる。
その時にタイミングよく一花からメールが届く。
『無事合格しました!』
尚政の中に喜びと安堵と不安が湧き起こる。俺はどうしたらいいんだろう……。そして尚政もメールを打つ。
『おめでとう! 今年は一花の誕生日と合格祝い会をしよう』
この日にちゃんと自分の口で伝えよう。目の前で一花の想いを聞くために。