背伸びしても届かない〜恋を知った僕は、君の心に堕ちていく〜
新しい道
進路が決まった一花は自由登校が終了し、普段通り学校へ通い始めた。久しぶりに下駄箱で上履きに履き替え、教室へと向かおうとした時だった。
「雲井さん!」
声をかけられた方を一花が振り向くと、そこには篠田が立っていた。篠田は少し気まずそうに下を向いていた。
二人の間のわだかまりはとっくになくなっていたから、今日の篠田の様子は何かあったとしか思えなかった。
「あっ……久しぶり。登校したってことは、合格したの?」
「うん、無事に。どうかした?」
「あのさ……智絵里から連絡とか来てない?」
「来てないけど、学校にいるんじゃないの?」
一花の言葉を聞いて篠田は驚いた。
「……雲井さんも聞いてなかったの?」
「なんのこと?」
「智絵里、急に外部の受験を決めたみたいで、年明けからずっと学校に来てないんだ」
篠田から知らされた事実に、一花の方が衝撃を受ける。年始に連絡を取り合ったが、その時は何も言っていなかった。数日前に合格の報告をした時は、スタンプだけが返ってきた。
「何度もメールしたり電話もしてるんだけど、ずっと無視されてて……雲井さんなら何か知ってるかなって思ったんだ。急にごめんね」
「ううん……」
手を振り走り去っていく篠田を見ながら、一花は智絵里のことが心配になった。
とりあえず後で連絡をしてみよう。そう思った時に予鈴が響く。一花は足早に教室へと向かった。
それにしても篠田くんの憔悴ぶりには驚いた。最近すごく仲が良かったし、まさか付き合っていたわけじゃないよね……いや、まさかね……。
「雲井さん!」
声をかけられた方を一花が振り向くと、そこには篠田が立っていた。篠田は少し気まずそうに下を向いていた。
二人の間のわだかまりはとっくになくなっていたから、今日の篠田の様子は何かあったとしか思えなかった。
「あっ……久しぶり。登校したってことは、合格したの?」
「うん、無事に。どうかした?」
「あのさ……智絵里から連絡とか来てない?」
「来てないけど、学校にいるんじゃないの?」
一花の言葉を聞いて篠田は驚いた。
「……雲井さんも聞いてなかったの?」
「なんのこと?」
「智絵里、急に外部の受験を決めたみたいで、年明けからずっと学校に来てないんだ」
篠田から知らされた事実に、一花の方が衝撃を受ける。年始に連絡を取り合ったが、その時は何も言っていなかった。数日前に合格の報告をした時は、スタンプだけが返ってきた。
「何度もメールしたり電話もしてるんだけど、ずっと無視されてて……雲井さんなら何か知ってるかなって思ったんだ。急にごめんね」
「ううん……」
手を振り走り去っていく篠田を見ながら、一花は智絵里のことが心配になった。
とりあえず後で連絡をしてみよう。そう思った時に予鈴が響く。一花は足早に教室へと向かった。
それにしても篠田くんの憔悴ぶりには驚いた。最近すごく仲が良かったし、まさか付き合っていたわけじゃないよね……いや、まさかね……。