背伸びしても届かない〜恋を知った僕は、君の心に堕ちていく〜
「尚政とは連絡取り合ってるの?」
「電話だったりメールだったりまちまちですが、一応毎日連絡はとってます」
「へぇ、あいつそんなにマメだったんだ。なんか意外だな」
やっぱり従兄弟だし、どことなく雰囲気が似ている気がした。
「尚政ってさ、小さい頃は天真爛漫なクソガキで、すごく明るい奴だったんだ。子供っぽい感じもしたけど、それがあいつの持ち味っていうかさ。一緒にいて、そういう風に感じたことない?」
「そうですね……確かにいたずらっぽさは感じます。それに結構甘えるのが好きみたいですし」
一花の言葉を聞いて、尋人と藤盛は一瞬固まったかと思うと吹き出す。
「あいつ一花ちゃんに甘えるの⁈ すごい情報だなぁ。今度このネタをぶち込むか」
「い、いけませんよ、尋人さん」
言ってはいけないこと漏らしたのかと不安になるが、涙を流して笑っている尋人は、手を前に出して謝る。
「ごめんごめん! 尚政はさ、あの中学の事件以降心を閉ざしたというか、本心を隠すようになって……みんな昔の尚政を知っているだけに心配しててさ。それが高三になったくらいから、また少しずつ元の尚政らしさが戻ってきたって親族間でも話しててね。つまり一花ちゃんと出会ってから尚政が変わり始めたってことだよね」
「……もしそうなら嬉しいですね……」
「俺はね、尚政を変えてくれた一花ちゃんに感謝してるんだ。だからずっとお礼が言いたかった。本当にありがとう」
だがそれを聞いても、一花は心から喜べなかった。きっとこの先に何か絶望的なことを言われる予感がしていた。その様子を見て、尋人はクスッと笑う。
「……一花ちゃんは察しがいいみたいだ」
「いえ……そうでなければ、津山さんみたいな方が私のところに来るとは思えないので……」
尋人は一息つくと、一花の方へ向き直る。そして口を開いた。
「電話だったりメールだったりまちまちですが、一応毎日連絡はとってます」
「へぇ、あいつそんなにマメだったんだ。なんか意外だな」
やっぱり従兄弟だし、どことなく雰囲気が似ている気がした。
「尚政ってさ、小さい頃は天真爛漫なクソガキで、すごく明るい奴だったんだ。子供っぽい感じもしたけど、それがあいつの持ち味っていうかさ。一緒にいて、そういう風に感じたことない?」
「そうですね……確かにいたずらっぽさは感じます。それに結構甘えるのが好きみたいですし」
一花の言葉を聞いて、尋人と藤盛は一瞬固まったかと思うと吹き出す。
「あいつ一花ちゃんに甘えるの⁈ すごい情報だなぁ。今度このネタをぶち込むか」
「い、いけませんよ、尋人さん」
言ってはいけないこと漏らしたのかと不安になるが、涙を流して笑っている尋人は、手を前に出して謝る。
「ごめんごめん! 尚政はさ、あの中学の事件以降心を閉ざしたというか、本心を隠すようになって……みんな昔の尚政を知っているだけに心配しててさ。それが高三になったくらいから、また少しずつ元の尚政らしさが戻ってきたって親族間でも話しててね。つまり一花ちゃんと出会ってから尚政が変わり始めたってことだよね」
「……もしそうなら嬉しいですね……」
「俺はね、尚政を変えてくれた一花ちゃんに感謝してるんだ。だからずっとお礼が言いたかった。本当にありがとう」
だがそれを聞いても、一花は心から喜べなかった。きっとこの先に何か絶望的なことを言われる予感がしていた。その様子を見て、尋人はクスッと笑う。
「……一花ちゃんは察しがいいみたいだ」
「いえ……そうでなければ、津山さんみたいな方が私のところに来るとは思えないので……」
尋人は一息つくと、一花の方へ向き直る。そして口を開いた。