背伸びしても届かない〜恋を知った僕は、君の心に堕ちていく〜
前に柴田に言われて、いろいろ調べたんだ。ラブホテルでの流れっていう動画も見た。最初にソファに座っておしゃべりしたり、テレビを見て、それから女性にお風呂を勧めて……みたいな流れだったはず。なのに今日の俺はそのセオリーを一つも踏襲出来ていなかった。
エレベーターに乗った時点で一花にキスをされ、部屋に入ってからもそれが続く。
もう我慢の限界だった。不安がどうとか言っていられない。だってもう何年も押し殺してきた感情を、ようやく今日一花にさらけ出せるんだから……。
尚政はキスをしたままコートと荷物をソファに放り投げる。一花の物も同じようにすると、彼女の体の上を何度も撫でていく。時折一花の呼吸が乱れ、彼女の良い場所を探っていく。
服の中へと指を滑り込ませると、一花は立っていられなくなり崩れ落ちた。その体を抱き上げ、ベッドまで運ぶ。
唇を塞いだまま服を脱がせていくと、何度も想像した一花の体が目の前に露わになる。その姿に尚政は興奮が抑えられなくなった。
一花の体の隅々まで口づけ、まるで味わうかのように舌を這わせていく。一花の甘美な香りに、尚政の頭は酔いそうになる。
しかし尚政の指が一花の中に入っていくと、苦痛のためか顔を歪ませた。
「ご、ごめん……やっぱり痛い?」
「んっ……ちょっと……でも続けて……やめないで……」
尚政はキスをしながら、彼女の中をゆっくり解していく。その最中に尚政はあることを思い出し、投げたカバンの元へ行く。そしてカバンの中から小さな箱を取り出すと、再び一花の上に覆い被さる。
「なぁに? それ……」
尚政は苦笑しながら箱を開けると、中からコンドームが出てきた。
「尋人からいきなり届いたんだよね、ちゃんと持ってろって。なんか俺たちのことを読んでたのかな。あはは、ジェル付きだって」
尚政は装着すると、一花にキスをする。ゆっくりと舌が絡まっていく。
「一花……行くよ……」
一花の中に尚政が一気に入ると、一花は痛みのためか唇を噛んだ。
「……痛い? やめる?」
「ダメ……やめたら怒るから……しばらくこのままでいて……」
尚政はキスをしながら、一花の体に指を滑らせる。彼女の敏感な部分を何度も何度も責めていくと、一花は体を震わせ、徐々に息遣いが荒くなる。
「……不思議だね……痛いのに、先輩と繋がっているだけで幸せになる……」
「俺も……一花とずっとこうしていたい……」
快楽の波が押し寄せ、尚政は居ても立っても居られず、少しずつ動き始める。そしてそのまま果てると、一花の上に倒れ込んだ。