背伸びしても届かない〜恋を知った僕は、君の心に堕ちていく〜

デートのような

 家族でテレビを見ていた時に、突然スマホが鳴る。なんとなく画面を見た一花は、尚政の名前を見つけて慌ててスマホを抱きしめた。

 とりあえず気持ちを落ち着かせてから、もう一度画面を確認する。

『次の日曜日は空いてる? 山上公園の運動場でどうかな?』

 次の日曜日、何も予定は入ってなかったはず。一花は息を大きく吸い込むと、母の方を向く。

「お母さん、日曜日に友達と遊びに行ってもいい?」
「日曜日? いいんじゃない? 遅くならないようにね」
「はーい」

 なんとか平静を保って話し、そっと胸を撫で下ろす。

『大丈夫です。楽しみにしています!』

 送信ボタンを押してすぐに既読がつく。先輩から送られたかわいいクマのスタンプを見て、つい吹き出してしまう。

 日曜日は先輩と二人きり。心配と期待が同じくらいの割合で押し寄せた。
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