背伸びしても届かない〜恋を知った僕は、君の心に堕ちていく〜
制服デート
家族との誕生日パーティーが土曜日になったため、制服デートは誕生日当日となった。
一花は朝からずっとそわそわしていた。学校で会うことはあっても、二人で出かけるのはあのバスケを教えてもらった日以来だったのだ。
何度も鏡を見ては、三つ編みを結び直したり、リップクリームを塗り直したり忙しい。
芽美と智絵里に気持ちよく送り出され、一花は待ち合わせ場所の駐輪場へと向かった。
すると尚政が出入り口の前で待っていた。自分の方が遅かったことに驚き、慌てて尚政の元に駆け寄る。
「すみません! お待たせしちゃいましたか?」
「なんだ、走らなくていいのに。俺もさっき来たところだし。それに……」
尚政は一花の乱れた前髪を直しながら笑顔になる。
「今日は俺が一花ちゃんを待ちたかったからさ」
わかりやすく真っ赤になる一花の手を引いて、バス停へと歩き出す。
「先輩、自転車は?」
「今日はデートだからさ、俺もバス登校。ちなみに知ってるとは思うけど、うちの学校って立ち寄り禁止だからね。気をつけながらデートしよう」
「は、はい……」
バス停で待っている間も、バスに乗ってからも、尚政は一花の手を握ったままだった。
一花は朝からずっとそわそわしていた。学校で会うことはあっても、二人で出かけるのはあのバスケを教えてもらった日以来だったのだ。
何度も鏡を見ては、三つ編みを結び直したり、リップクリームを塗り直したり忙しい。
芽美と智絵里に気持ちよく送り出され、一花は待ち合わせ場所の駐輪場へと向かった。
すると尚政が出入り口の前で待っていた。自分の方が遅かったことに驚き、慌てて尚政の元に駆け寄る。
「すみません! お待たせしちゃいましたか?」
「なんだ、走らなくていいのに。俺もさっき来たところだし。それに……」
尚政は一花の乱れた前髪を直しながら笑顔になる。
「今日は俺が一花ちゃんを待ちたかったからさ」
わかりやすく真っ赤になる一花の手を引いて、バス停へと歩き出す。
「先輩、自転車は?」
「今日はデートだからさ、俺もバス登校。ちなみに知ってるとは思うけど、うちの学校って立ち寄り禁止だからね。気をつけながらデートしよう」
「は、はい……」
バス停で待っている間も、バスに乗ってからも、尚政は一花の手を握ったままだった。