背伸びしても届かない〜恋を知った僕は、君の心に堕ちていく〜

* * * *

 一花が帰った後、柴田と園部は調理室に残って話をしていた。もちろん一花と尚政について。

「まさか一花ちゃんが千葉くんを好きだとは驚いた」
「だなぁ。一花ちゃんの一番好きな先輩は俺だと思っていたのに……」
「何馬鹿なこと言ってんの。ところで千葉くんって……」
「まだ、あのことを引きずってるんじゃないか? 彼女を作らないのはそれが原因だと思ってたよ」
「……でも一花ちゃんなら……って思わない?」
「不思議だよな。まだ中学生なのに、俺もそう思ってる」

 二人は顔を見合わせて、ニヤッと笑う。

「やるか」
「いいね、やろう」
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