背伸びしても届かない〜恋を知った僕は、君の心に堕ちていく〜
 期末試験の最終日、みんなでご飯を食べて帰ろうと話をしていた時だった。

 スマホが鳴り、尚政からのメールに気付く。

『これから会える?』

 嬉しい内容なのに、何故か少し不安になる。今までこんな唐突なメールはなかった。なにかあったのだろうか……。

 でも今を逃したらまた会えなくなるかもしれない。それは嫌だ。

「智絵里、めぐたん、先輩から会いたいってメールが来たから行ってもいい?」

 一花は二人に申し訳なさそうに伝える。すると二人は笑顔で一花の肩を叩く。

「良かったじゃない! なかなか会えなかったもんね〜」
「私たちのことはいいから行ってきなよ」
「うん、ありがとう!」

 二人に背中を押され、一花はすぐに尚政に返事をする。

『大丈夫です』

 ただの取り越し苦労でありますように……これが最後になりませんように……。

 一花はそう思いながらスマホを握りしめた。
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