背伸びしても届かない〜恋を知った僕は、君の心に堕ちていく〜

学園祭

 夏休みが明けから、智絵里と篠田の関係に変化が生じていた。恋とかそういうものではなく、ケンカしながらも言いたいことを言い合える、男女の友情のように思えた。

 そのこともあってか、篠田は一花に一連の出来事を謝罪した。一花は責めるつもりもなかったので、謝罪をそのまま受け入れたのだ。

 芽美と翔太の企てについて一花は気付いていなかったこともあり、篠田の気持ちを知っていた智絵里は敢えて一花に何も言わなかった。

 悪い奴ではないのよ。ちょっと手段を間違えただけ。それに篠田は次に先輩に会ったらきちんと謝罪すると言っていた。だから智絵里は彼を信じることにしたのだ。
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