背伸びしても届かない〜恋を知った僕は、君の心に堕ちていく〜

もしも……

 一花は高校三年生に進級した。外部の短期大学を希望した一花は、智絵里や芽美とはクラスが離れてしまった。それでもこの一年は、夢に向かって頑張ると決めていた。

 勉強に時間をとられ、尚政と会う時間も減っていく。ただ彼からのメールや電話が欠かさず来るため、一花は尚政のそばにいるような気持ちになれた。

 季節は秋に向かい始めた頃、高校最後の学祭の準備が始まった。そして時を同じくして、尚政からメッセージが届く。

『大学の学祭、行けそう?』

 尚政が昨年の約束を忘れていなかったことが嬉しかった。
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