背伸びしても届かない〜恋を知った僕は、君の心に堕ちていく〜
一通り回ってから、尚政は一花を連れて学祭本部へと向かう。どうしても抜けられないから、一花を連れてきて欲しいとある人物に言われていたためだった。
尚政が本部のテントの中を覗くと、
「一花ちゃ〜ん!」
と大きな声が聞こえた。
何も知らない一花は驚いて硬直してしまったが、その人物を見るなり表情がパッと明るくなる。
「副部長〜!」
奥の方から人の間をかき分けてやってきたのは、かつての調理部副部長の園部だった。
園部は一花に抱きつくと、嬉しそうに頭を撫でる。笑顔と温かさはそのまま、服装やメイクは大人の女性になっていた。
「久しぶり〜! 千葉と柴田から噂は聞いていたんだけど、本当にきれいになったね〜!」
「副部長、ずっと会いたいって思っていたの〜!」
一花は園部が卒業してから一度も会えていなかった。大好きな先輩だっただけに、こうして再会出来たことが嬉しかった。
「あれ? 柴田は?」
「あぁ、ちょっと問題発生して対応に行ってるよ。それにしても一花ちゃん、いろいろ頑張ったみたいだね〜。千葉のこと、こんなに骨抜きにしちゃって! 先輩として誇らしいぞ!」
「骨抜き?」
「園部!」
「あー、はいはい。でもあの時中学生だった一花ちゃんが高校生になって、でもまだ千葉を好きでいてくれるなんて、なんか奇跡みたい。純愛って本当に存在するのねぇ……」
その時柴田が本部に戻って来る。そして三人の姿を見るなり駆け寄る。
「ちょうど二人を探してたんだよ! ここにいて良かった」
「園部が一花を連れて来いって言うから」
「まぁそれはいいんだけどさ、お前一花ちゃんを彼女だって宣言したらしいな。同じ学部の奴らが騒いでた。お前なんだかんだ言って、ちゃんと認めたんだな」
「えっ! やだっ! お付き合いに発展してたの⁈」
「ち、違うんです! 今日限定っていうか……」
尚政の代わりに否定しようとしたが、言葉がうまく続かない。
尚政が本部のテントの中を覗くと、
「一花ちゃ〜ん!」
と大きな声が聞こえた。
何も知らない一花は驚いて硬直してしまったが、その人物を見るなり表情がパッと明るくなる。
「副部長〜!」
奥の方から人の間をかき分けてやってきたのは、かつての調理部副部長の園部だった。
園部は一花に抱きつくと、嬉しそうに頭を撫でる。笑顔と温かさはそのまま、服装やメイクは大人の女性になっていた。
「久しぶり〜! 千葉と柴田から噂は聞いていたんだけど、本当にきれいになったね〜!」
「副部長、ずっと会いたいって思っていたの〜!」
一花は園部が卒業してから一度も会えていなかった。大好きな先輩だっただけに、こうして再会出来たことが嬉しかった。
「あれ? 柴田は?」
「あぁ、ちょっと問題発生して対応に行ってるよ。それにしても一花ちゃん、いろいろ頑張ったみたいだね〜。千葉のこと、こんなに骨抜きにしちゃって! 先輩として誇らしいぞ!」
「骨抜き?」
「園部!」
「あー、はいはい。でもあの時中学生だった一花ちゃんが高校生になって、でもまだ千葉を好きでいてくれるなんて、なんか奇跡みたい。純愛って本当に存在するのねぇ……」
その時柴田が本部に戻って来る。そして三人の姿を見るなり駆け寄る。
「ちょうど二人を探してたんだよ! ここにいて良かった」
「園部が一花を連れて来いって言うから」
「まぁそれはいいんだけどさ、お前一花ちゃんを彼女だって宣言したらしいな。同じ学部の奴らが騒いでた。お前なんだかんだ言って、ちゃんと認めたんだな」
「えっ! やだっ! お付き合いに発展してたの⁈」
「ち、違うんです! 今日限定っていうか……」
尚政の代わりに否定しようとしたが、言葉がうまく続かない。