捨てる旦那あれば拾うホテル王あり~身籠もったら幸せが待っていました~
私に気づいた彼が、読んでいた新聞から顔を上げる。
「お、おはようって、なんであなたがここに……!」
オートロックだから鍵はかかっているはず。
そして部屋の鍵は確かに昨晩、テーブルの上に置いて寝た。
なのにどうして昨日の彼がここにいるの!?
「なんでって、今日は観光に連れていってやると約束しただろ」
私は怒っているというのに彼は平然と、また新聞へ視線を戻した。
「ほら、顔を洗ってこい。
準備が済んだら朝食を食べに行こう」
「昨日も言いましたけど、私はあなたのお世話になる気はこれっぽっちもないですから」
「いいから顔を洗ってこい。
僕は君が起きるのを待ちくたびれて、腹が減っているんだ」
「それはなんか、すみません……」
つい謝ったが、これは私が詫びなければいけないのか?
しかも彼の顔は新聞から上がらず、私のほうをちっとも見ない。
「あーもー、腹が減って死にそうだー」
わざとらしく言い、ようやく私の顔を見た彼は、右の口端だけをつり上げてニヤリと笑った。
からかわれた、そう気づいて頬がカッと熱くなる。
「……意地悪ですね、あなたは」
「そうか?」
軽く言って今度は、彼は新聞を畳んだ。
「お、おはようって、なんであなたがここに……!」
オートロックだから鍵はかかっているはず。
そして部屋の鍵は確かに昨晩、テーブルの上に置いて寝た。
なのにどうして昨日の彼がここにいるの!?
「なんでって、今日は観光に連れていってやると約束しただろ」
私は怒っているというのに彼は平然と、また新聞へ視線を戻した。
「ほら、顔を洗ってこい。
準備が済んだら朝食を食べに行こう」
「昨日も言いましたけど、私はあなたのお世話になる気はこれっぽっちもないですから」
「いいから顔を洗ってこい。
僕は君が起きるのを待ちくたびれて、腹が減っているんだ」
「それはなんか、すみません……」
つい謝ったが、これは私が詫びなければいけないのか?
しかも彼の顔は新聞から上がらず、私のほうをちっとも見ない。
「あーもー、腹が減って死にそうだー」
わざとらしく言い、ようやく私の顔を見た彼は、右の口端だけをつり上げてニヤリと笑った。
からかわれた、そう気づいて頬がカッと熱くなる。
「……意地悪ですね、あなたは」
「そうか?」
軽く言って今度は、彼は新聞を畳んだ。