捨てる旦那あれば拾うホテル王あり~身籠もったら幸せが待っていました~
「お仕事はなにをしてらっしゃるんですか?」

「んー、内緒」

とか言われて安心できるわけがない。

「あのー、……カタギの方、……ですよね?」

仕事は謎、それでいてきっとかなりのお金持ち。
まともな職業な人間だとは思えない。

「誓って、やましい仕事はしていない。
人よりちょーっと、稼いでいるだけだ」

なんでもない顔をして和家さんは言うが、……ちょーっと、ね。
ちょっとでリムジンを乗り回し、私を高級ホテルのスイートに連泊させられるとは思えない。

「わかりました、これ以上聞きません」

これ以上、詮索するのはやめよう。
この人を頼って、一時の夢をみる。
それでいい。

「うん、そうしてくれると嬉しい」

これでこの話はおしまい。
あとは美味しいパンケーキを堪能した。

朝食のあとはショッピングセンターへ連れていかれた。

「あのー」

「李依の服を買うって言っただろ?」

私の手を引き、和家さんは歩いていく。
適当な店で足を止めて、中へと連れ込まれた。
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