捨てる旦那あれば拾うホテル王あり~身籠もったら幸せが待っていました~
「そんな、服なんて買ってもらえません」

「まだ遠慮するんだ?」

服を選んでいた手を止め、彼が振り返る。

「李依は本当に可愛いな!」

「えっ、あっ!」

いきなり抱き締められて、どぎまぎしてしまう。

「よし、この店買い占めるか」

和家さんはご機嫌だが、私はなんかまた彼のスイッチを押してしまったのかな?

「さすがに店買い占めは……」

「そうか?」

彼は怪訝そうだが、もしかしていつもそういう買い方をしているんだろうか……?
店買い物は押し留め、服を選ぶ。

「これとかどうですか……?」

私の好きな、シンプルなAラインワンピースを身体に合わせてみせる。

「とりあえず試着してみろ」

「そうですね」

店員に断り、それを着て和家さんの前に出る。

「どう、ですか……?」

「んー」
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