捨てる旦那あれば拾うホテル王あり~身籠もったら幸せが待っていました~
知っているのは和家悠将という名前と、かなりのお金持ちそうだということだけだ。
彼に抱かれたのには後悔はないが、こうなるとどうしていいのかわからなかった。
いや、もしかしたら検査薬の結果が間違っているのかしれないし。
なんて一縷の望みをかけて病院へ行ったが、妊娠が確定されただけだった。
「あー、うー」
ベッドに寝転び、言葉にならない声を発しながらもらった母子手帳を眺める。
不思議と、私の中に堕ろすという選択肢はなかった。
和家さんの子供を産んで、育てる。
それだけは決まっていたが、仕事や生活はどうするのか問題は山積みだ。
「……頑張んなきゃ。
もう、お母さんなんだし」
胸の三日月をぎゅっと握る。
きっと、大丈夫。
なんとかなる。
今は自分にそう、言い聞かせるしかできなかった。
誰にも妊娠を告げられないまま、仕事をする。
「初見さん。
ちょっと社長室までいいかな?」
「はい……?」
課長から声をかけられ、間抜けな声が出た。
私、社長から呼ばれるほどのなにかをやったっけ……?
考えたけれど、思い当たる節はない。
わけがわからないまま社長室へ行くと、さらにわけのわからない命令をされた。
「私が、そのCEOの接客ですか……?」
「はい、先方からのご指名なので」
彼に抱かれたのには後悔はないが、こうなるとどうしていいのかわからなかった。
いや、もしかしたら検査薬の結果が間違っているのかしれないし。
なんて一縷の望みをかけて病院へ行ったが、妊娠が確定されただけだった。
「あー、うー」
ベッドに寝転び、言葉にならない声を発しながらもらった母子手帳を眺める。
不思議と、私の中に堕ろすという選択肢はなかった。
和家さんの子供を産んで、育てる。
それだけは決まっていたが、仕事や生活はどうするのか問題は山積みだ。
「……頑張んなきゃ。
もう、お母さんなんだし」
胸の三日月をぎゅっと握る。
きっと、大丈夫。
なんとかなる。
今は自分にそう、言い聞かせるしかできなかった。
誰にも妊娠を告げられないまま、仕事をする。
「初見さん。
ちょっと社長室までいいかな?」
「はい……?」
課長から声をかけられ、間抜けな声が出た。
私、社長から呼ばれるほどのなにかをやったっけ……?
考えたけれど、思い当たる節はない。
わけがわからないまま社長室へ行くと、さらにわけのわからない命令をされた。
「私が、そのCEOの接客ですか……?」
「はい、先方からのご指名なので」