捨てる旦那あれば拾うホテル王あり~身籠もったら幸せが待っていました~
「私はこの子も、和家さんもひとりにしたりしません。
私の全部で愛して、幸せにするって誓います」
「李依……」
和家さんの身体は、心細そうに震えている。
ずっとひとりで淋しかった和家さん。
きっとそれを、口にすらできなかった。
「李依が僕を幸せにしてくれるように、僕が李依を、李依と子供を幸せにすると誓うよ」
顔を上げた和家さんの目尻には、僅かに涙が光っている。
そんなあなたが――酷く愛おしい。
「……はい」
私の頬に彼の手が触れ、唇が重なる。
今ばかりは車両貸し切りでよかった。
入籍は月曜に母が戸籍を取りに行って送ってくれるというので、それが届き次第することになった。
配慮が必要な身体なんだから、妊娠を早く会社に報告すること。
それに産休の予定を会社も立てないといけないから、必要なのはわかるね?
……と和家さんに半ば説得され、仕事の合間に上司の元へ行く。
「その。
先日、結婚の報告はしたんですが、実は妊娠もしてまして」
「ああ、妊娠。
それはおめでとうございます。
……え、妊娠?」
にこやかにお祝いを言ってくれた課長だが、時間差で聞かされた内容に気づいたらしく、聞き返してきた。
私の全部で愛して、幸せにするって誓います」
「李依……」
和家さんの身体は、心細そうに震えている。
ずっとひとりで淋しかった和家さん。
きっとそれを、口にすらできなかった。
「李依が僕を幸せにしてくれるように、僕が李依を、李依と子供を幸せにすると誓うよ」
顔を上げた和家さんの目尻には、僅かに涙が光っている。
そんなあなたが――酷く愛おしい。
「……はい」
私の頬に彼の手が触れ、唇が重なる。
今ばかりは車両貸し切りでよかった。
入籍は月曜に母が戸籍を取りに行って送ってくれるというので、それが届き次第することになった。
配慮が必要な身体なんだから、妊娠を早く会社に報告すること。
それに産休の予定を会社も立てないといけないから、必要なのはわかるね?
……と和家さんに半ば説得され、仕事の合間に上司の元へ行く。
「その。
先日、結婚の報告はしたんですが、実は妊娠もしてまして」
「ああ、妊娠。
それはおめでとうございます。
……え、妊娠?」
にこやかにお祝いを言ってくれた課長だが、時間差で聞かされた内容に気づいたらしく、聞き返してきた。