捨てる旦那あれば拾うホテル王あり~身籠もったら幸せが待っていました~
終業時間が近づいてきた頃、社内が騒がしくなった。
少しして、今日はもういいので片付けて社長室へ行くように言われた。
わけがわからぬまま、命じられたままに社長室へ行く。
「李依ー」
「へ?」
ドアを開けた途端ににこにこ笑って手を振る和家さんが見えて、変な声が漏れた。
「あの、社長がお呼びだと聞いたのですが」
「呼んだのは僕」
ここに座れと和家さんが隣をぺしぺし叩く。
どうしていいかわからずに社長を見ると黙って頷かれたので、そこへ腰を下ろした。
「御社の社員と結婚させていただきますので、よろしくお願いしますって挨拶に来たんだ」
和家さんは楽しそうだが、社長の笑顔は引き攣っている。
遥か年下とはいえ、相手は足下にも及ばない大会社のCEOと、社長も反応に困っているのだろう。
「きちんと、僕と李依の関係を説明しておいたから。
ですよね、社長?」
「ええ、はい」
笑いかける和家さんへ、曖昧に笑って社長が答える。
これってもしかして、釘を刺しに来たのかな……?
社内で事実に反する噂を立てるのなら、ただじゃおかないぞって。
そんなの……。
「なにかとご迷惑をおかけするかと思いますが、これからも僕の妻をよろしくお願いいたします」
少しして、今日はもういいので片付けて社長室へ行くように言われた。
わけがわからぬまま、命じられたままに社長室へ行く。
「李依ー」
「へ?」
ドアを開けた途端ににこにこ笑って手を振る和家さんが見えて、変な声が漏れた。
「あの、社長がお呼びだと聞いたのですが」
「呼んだのは僕」
ここに座れと和家さんが隣をぺしぺし叩く。
どうしていいかわからずに社長を見ると黙って頷かれたので、そこへ腰を下ろした。
「御社の社員と結婚させていただきますので、よろしくお願いしますって挨拶に来たんだ」
和家さんは楽しそうだが、社長の笑顔は引き攣っている。
遥か年下とはいえ、相手は足下にも及ばない大会社のCEOと、社長も反応に困っているのだろう。
「きちんと、僕と李依の関係を説明しておいたから。
ですよね、社長?」
「ええ、はい」
笑いかける和家さんへ、曖昧に笑って社長が答える。
これってもしかして、釘を刺しに来たのかな……?
社内で事実に反する噂を立てるのなら、ただじゃおかないぞって。
そんなの……。
「なにかとご迷惑をおかけするかと思いますが、これからも僕の妻をよろしくお願いいたします」