捨てる旦那あれば拾うホテル王あり~身籠もったら幸せが待っていました~
「ホテルが買収されたのは僕の力が及ばなかっただけで、李依のせいじゃない。
それにこれはもう、次の手を考えているから問題ない。
今度また、私のせいで……とか言ったら、この鼻に牛みたいなピアスを着けるぞ」
「痛い、痛いです!」
摘ままれたまま鼻を思いっきり左右に揺らされたら堪らない。
それに牛みたいに輪っかを着けられるのは嫌だ。
「……直すように気をつけます」
「うん」
手を離した彼が満足げに頷く。
私の悪癖、前に言われたときはわからなかったけれど、今ならわかる。
勝手に自分のせいだと決めて自己完結するのは、ただの自己満足だ。
まずは、きちんと話をする。
自分のせいだと決めつけるのはそれからでも遅くない。
これからはできるだけそうするように気をつけたい。
「まあでも、僕は自分を酷い目に遭わせた相手ですら、悪口を言うどころか幸せを願う李依に惚れたんだけどな」
「ええっと……?」
眼鏡の弦のかかる耳を赤く染め、彼がなにを言っているのかわからない。
「それって……?」
「李依があんまり可愛くて、一目惚れだったんだ。
健気な李依を本気で自分の手で幸せにしたいと思った。
だから最後の夜、必ず迎えに行くから落ち着いたら連絡くれと言ったのに、音信不通になるんだもんな」
「うっ」
それにこれはもう、次の手を考えているから問題ない。
今度また、私のせいで……とか言ったら、この鼻に牛みたいなピアスを着けるぞ」
「痛い、痛いです!」
摘ままれたまま鼻を思いっきり左右に揺らされたら堪らない。
それに牛みたいに輪っかを着けられるのは嫌だ。
「……直すように気をつけます」
「うん」
手を離した彼が満足げに頷く。
私の悪癖、前に言われたときはわからなかったけれど、今ならわかる。
勝手に自分のせいだと決めて自己完結するのは、ただの自己満足だ。
まずは、きちんと話をする。
自分のせいだと決めつけるのはそれからでも遅くない。
これからはできるだけそうするように気をつけたい。
「まあでも、僕は自分を酷い目に遭わせた相手ですら、悪口を言うどころか幸せを願う李依に惚れたんだけどな」
「ええっと……?」
眼鏡の弦のかかる耳を赤く染め、彼がなにを言っているのかわからない。
「それって……?」
「李依があんまり可愛くて、一目惚れだったんだ。
健気な李依を本気で自分の手で幸せにしたいと思った。
だから最後の夜、必ず迎えに行くから落ち着いたら連絡くれと言ったのに、音信不通になるんだもんな」
「うっ」