若頭、今日もお嬢を溺愛する
「杏子ちゃん、どうぞ?」
再度、ドリンクを入れてきてくれ杏子の前に置いた男子。
「ありがとうございます!」
「いえ!紅茶ならいいかなって、入れたんだけど……」
「あ、はい!」
コクッと一口、飲んだ杏子。
━━━━━━!!!?
「ん……これ…」
カチャンと音をさせ、杏子の手から滑り落ちたカップ。
「杏子?」
「杏子ちゃん…?」
杏子は口元を手で塞ぎ、震えている。
そして……そのまま椅子から滑り落ちるように、倒れた。
「杏子!!?」
「杏子ちゃん!!!?」
「━━━━━雷十さん!!!」
笹美が近くにいた雷十を呼ぶ。
「杏ちゃん!!!?」
雷十が駆け寄り、杏子を抱き上げる。
「何があった!!?」
「紅茶!紅茶を飲んだ途端……」
「紅茶?」
雷十が紅茶を一口飲んだ。
「━━━━━!!?これ…」
雷十は、急いでそのまま車に向かった。
「瓜生!!」
車の前で煙草を吸っていた、雷十の部下に叫ぶように声をかける。
「はい!お嬢!!!?」
「病院に早く!!」
「はい!!」
杏子のぐったりした姿に驚愕し、瓜生はドアを開けた。
━━━━━━━━━━━━━━━
「杏は!!?」
タタタタッと駆けてくる音がして、大悟が病院に駆けつけてくる。
「大悟、すまん!!」
処置室の前の椅子に座っていた雷十が立ち上がり、大悟に深く頭を下げる。
「でも、なんで!!?」
「杏ちゃんが飲んだ紅茶の中に、グレープフルーツが……」
「そうか……」
「医者は、飲んだのが少量だから心配はいらないとは言っていたが、俺の責任だ!また、大悟の大切な………」
「雷十、それは言わない約束だろ?」
そこへ、笹美達が駆けつけてきた。
「杏子は!!?」
「えーと、君達は……」
「あ、私、杏子の友達の……」
「そうか。君が杏の唯一の女友達の……
大丈夫だよ。ごめんね、びっくりしたよね?」
「いえ…でも、どうして急に……」
「杏はね、生まれつき血液の病気で色んな薬を飲んでるんだ。それで、柑橘類…特にグレープフルーツを絶対に口に入れるなって言われてて……」
「え……そうだったんですか…?
ご、ごめんなさい!!私達、知らなくて━━━━━━」
そこへ雷十がガンッと大きな音をさせ、壁を殴った。
「世の中には“知らない”という理由では済まされない事がある。
杏ちゃんの母親も、その“知らない”のせいで死んだ。
俺は杏ちゃんを失ったら、生きていけない。
杏ちゃんは、俺の宝物だ。
俺が杏ちゃんを囲う理由……それは俺の知らないところで“知らない”に殺されない為。
俺が守ってあげないと、杏ちゃんが殺される。
早く消えろ!
もう自分を抑え込めない。
お前等を殴った手で、杏ちゃんに触れたくない」
笹美達を睨み付け、言い放った雷十。
今にも、笹美達に飛びかかりそうだ。
再度、ドリンクを入れてきてくれ杏子の前に置いた男子。
「ありがとうございます!」
「いえ!紅茶ならいいかなって、入れたんだけど……」
「あ、はい!」
コクッと一口、飲んだ杏子。
━━━━━━!!!?
「ん……これ…」
カチャンと音をさせ、杏子の手から滑り落ちたカップ。
「杏子?」
「杏子ちゃん…?」
杏子は口元を手で塞ぎ、震えている。
そして……そのまま椅子から滑り落ちるように、倒れた。
「杏子!!?」
「杏子ちゃん!!!?」
「━━━━━雷十さん!!!」
笹美が近くにいた雷十を呼ぶ。
「杏ちゃん!!!?」
雷十が駆け寄り、杏子を抱き上げる。
「何があった!!?」
「紅茶!紅茶を飲んだ途端……」
「紅茶?」
雷十が紅茶を一口飲んだ。
「━━━━━!!?これ…」
雷十は、急いでそのまま車に向かった。
「瓜生!!」
車の前で煙草を吸っていた、雷十の部下に叫ぶように声をかける。
「はい!お嬢!!!?」
「病院に早く!!」
「はい!!」
杏子のぐったりした姿に驚愕し、瓜生はドアを開けた。
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「杏は!!?」
タタタタッと駆けてくる音がして、大悟が病院に駆けつけてくる。
「大悟、すまん!!」
処置室の前の椅子に座っていた雷十が立ち上がり、大悟に深く頭を下げる。
「でも、なんで!!?」
「杏ちゃんが飲んだ紅茶の中に、グレープフルーツが……」
「そうか……」
「医者は、飲んだのが少量だから心配はいらないとは言っていたが、俺の責任だ!また、大悟の大切な………」
「雷十、それは言わない約束だろ?」
そこへ、笹美達が駆けつけてきた。
「杏子は!!?」
「えーと、君達は……」
「あ、私、杏子の友達の……」
「そうか。君が杏の唯一の女友達の……
大丈夫だよ。ごめんね、びっくりしたよね?」
「いえ…でも、どうして急に……」
「杏はね、生まれつき血液の病気で色んな薬を飲んでるんだ。それで、柑橘類…特にグレープフルーツを絶対に口に入れるなって言われてて……」
「え……そうだったんですか…?
ご、ごめんなさい!!私達、知らなくて━━━━━━」
そこへ雷十がガンッと大きな音をさせ、壁を殴った。
「世の中には“知らない”という理由では済まされない事がある。
杏ちゃんの母親も、その“知らない”のせいで死んだ。
俺は杏ちゃんを失ったら、生きていけない。
杏ちゃんは、俺の宝物だ。
俺が杏ちゃんを囲う理由……それは俺の知らないところで“知らない”に殺されない為。
俺が守ってあげないと、杏ちゃんが殺される。
早く消えろ!
もう自分を抑え込めない。
お前等を殴った手で、杏ちゃんに触れたくない」
笹美達を睨み付け、言い放った雷十。
今にも、笹美達に飛びかかりそうだ。