若頭、今日もお嬢を溺愛する
瓜生の後を、笹美達がついていく。

五人は部下達の間をゆっくり歩き、文悟の前に座る。
瓜生「オヤジ、お連れしました」
文悟「ん」

笹美「あ、あの…今日はご招待ありがとうございます」
昴「俺…あ、いや…僕達まで、招待していただいて……」
四人は頭を下げた。

文悟「お前さん達には、感謝してるんだ」

笹美「え?」
文悟「ヤクザの孫なんて、正直嫌だろ?
杏子は、お前さん達に会うまで……ずっと一人だったからな。杏子の友人の代わりは、雷十とここの部下達だった。
おっさんばっかだろ?
可哀想な思いを沢山してきたんだ。
だから、感謝してる。ありがとな!」

笹美「いえ…」

文悟「大学も、杏子と同じらしいな」
笹美「はい」
文悟「これからも、よろしくな」
笹美達「はい!」
文悟「怖いおっさんばかりだが、沢山食べな!」

そして瓜生の誘導で、杏子の近くに座った。

杏子「ごめんね、怖いでしょ?」
笹美「す、少し……」

杏子「大丈夫。私が、守るから!
………でも、来てくれるなんて思わなかった」

昴「ちょっと、興味があって…」
虎太郎「どんななんだろうって!」
杏子「フフ…そっか。こんなだよ!」
手毬「凄いね!緊張するな…」

杏子「おじぃ様がいる間は、少しピリピリしてるの。
ごめんね……」

部下「皆様は、何を飲まれますか?」
笹美「あ、杏子は?」
杏子「私はお茶。
みんなは、ジュースがいいよね?
オレンジ?コーラ?あ、でも食事するからお茶がいいかな?」
笹美「とりあえず、お茶を……」
昴「俺達も!」

部下「皆様、飲み物は行き渡りましたか?
……………では、オヤジお願いします!」

文悟「今日は我、愛孫・杏子と友人達の高校卒業祝いに来てくれて、ご苦労さんだった!
これからも、杏子をよろしく頼む!
乾杯!!」

「「「お嬢!卒業おめでとうございます!!」」」

杏子「みんな、沢山食べてね!」

文悟「杏子」
杏子「はい。
ごめんね、ちょっと待ってて!あ、ゆっくりしててね!」
杏子が、文悟の前に座る。

文悟「浅井」
浅井「はい。
……………お嬢、これを…」
文悟「ワシからの、卒業祝いだ。
この金で、好きな物を買いなさい」
杏子「これ……」
(100?じゃない…500万?
だから、どんな金銭感覚だっつうの!!?)

杏子「ありがとう!おじぃ様!」
今日はお祝いの席だ。
杏子は素直に受け取った。

大悟「杏!」
杏子「はい」
次に大悟の前に座る、杏子。

大悟「パパからも!」
杏子「ありがとう、パパ!あ、今度一緒に買いに行こ?」
大悟「デートしてくれるの?」
杏子「うん!」

そして笹美達の元に戻った。
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