若頭、今日もお嬢を溺愛する
杏子「え?」
虎太郎「そこまでしてなんで……ヤクザの女になったの?」
杏子「それは……」
虎太郎「俺なら━━━━━」

昴「虎太郎!止めろ!!!」

杏子「これでも、スッゴく悩んだんだよ?」

虎太郎「杏子ちゃん…」

杏子「雷十、若頭だし…すぐ殺そうとするし、冷酷な人だし………」
笹美「杏子、もういいよ?ね!」
杏子「でもね!
雷十って、バカで、変人で……カッコ良くて、優しいの!!」

手毬「鶴来さん……」

杏子「好きなの…雷十のこと……
ずっと一人だったから。私……
雷十はずっと、傍にいてくれたの。
傍で守ってくれた。
私の小さな世界には、いつも……雷十がいたの。
ごめんね!虎太郎くん。ありがとう!」

虎太郎「そっか。わかった!ごめんね!」

杏子「でも、ここにいるみんなのことも好きだよ!
初めての大切な友達だから!」


雷十「杏ちゃん!!」
杏子「雷十!!」
雷十に抱きつく、杏子。

抱き止め、背中をさする。
雷十「もう大丈夫ですよ!」
杏子「うん…」
雷十「もうすぐお開きです。戻りましょう」
杏子「うん!」

虎太郎「敵わねぇな…」
笹美「え?」
虎太郎「手毬は奪えないって思ってたみたいだけど、俺は正直…いけると思ってた。
でも……諦めなきゃダメみたいだな……」
手毬「そうだね。きっと…風間さんには敵わない…」

昴「敵わぬ恋は辛いな!」

虎太郎「お前はいいなぁー」
手毬「羨ましいよ!」

昴「え?」

虎太郎「昴、今度三人で男子会しよっ?」
昴「は?」
虎太郎「手毬、昴になんか奢ってもらおうぜ(笑)!」
手毬「フフ…いいのかな?」

昴「はぁーわかったよ!」

笹美「えーいいなぁー!」

虎太郎「笹美はダメだぞ!寂しい俺と手毬を、幸せな昴に慰めてもらうんだから!」

そして、宴会は終わった。

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