若頭、今日もお嬢を溺愛する
杏子「おはよ、笹美!」
笹美「杏子!遅い!」
杏子「ごめんね!
昴くん、虎太郎くん、清二くんもおはよ!」

昴・虎太郎・清二「「「おはよ~」」」
笹美の横に座る、杏子。

笹美「なんか今日、特別講師来るみたいよ!」
杏子「へぇー」
昴「大学初日から、特別講師ってスゲーよな?」
虎太郎「確かに!」
清二「あ!来たみたいだよ!」

講義室のドアが開く。

━━━━━━━!!!?

入ってきた人物を見て、杏子達は凍ったように固まる。

杏子「ら、ら、ら…」
笹美「雷十さん!?」
昴「雷十さんが……」
虎太郎「特別講師…?」
清二「どうして…?」

雷十「初めまして!特別講師の、風間 雷十です!」

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杏子「雷十!!」
雷十「あ!杏ちゃん!!」
杏子「あんた!何故に!大学に潜り込んだの?」

雷十「そんなのぉー、杏ちゃんと離れたくないからですよ!
決まってるじゃないですか~」

杏子「てか!よく潜り込めたな!」
雷十「はい?」
杏子「あんたみたいな…ヤクザが……」
雷十に耳打ちする、杏子。

雷十「まぁ、そこは色々……
それよりも!どうでした?俺の特別講師!」

杏子「とてもわかりやす……いや、違う!
帰れ!!」

雷十「えーー!次の講義室まで、一緒に行きましょ?」
そう言いながら、手を握ってくる。
そして、指を絡めてきた。
それだけで、身体が熱くなる。

杏子「ちょっ…////ダメ!!離して!!ここは、大学だよ?」
雷十「嫌です」
杏子「雷十、私の言うこと聞けないの?」
雷十「…………わかりました」

杏子「じゃあ…行くから!もう来ないで!」
赤くなった顔を扇ぎながら、笹美達の所へ向かったのだった。

雷十「可愛い~てか、怒ってても可愛い~」


笹美「まさか、特別講師として大学に来るなんて……」
杏子「だよね……あり得ない!」
昴「でも…いくら会いたいからって、それをやっちゃうとこがスゲー!」
虎太郎「ある意味、さすが!ヤクザって感じ!」
手毬「鶴来さん、大丈夫?」
杏子「うん、大丈夫!それより、杏子って呼んでいいって言ったでしょ?」
清二が窺うように言ってきて、杏子は微笑み言う。

「あ、そうだね。あ、杏子ちゃん…////」
「フフ…」



講義室に向かうと、女子学生が入口で突っ立っていた。
昴「ちょっと、何やってんの?こんなとこにいられたら、邪魔なんだけど?」
昴が怪訝そうに言った。

「あ、ご、ごめんなさい…」
学生はビクッと震えて、横にずれた。

笹美「昴!そんな言い方ないじゃん!」
杏子「そうだよ!ダメだよ、昴くん」
笹美と杏子が、昴に叱る。

杏子「大丈夫?体調悪いとか?医務室に行く?」
笹美「私達が、連れていこうか?」
二人が、優しく声をかけた。

学生「あ、いえ…ちょっと、苦手な子がいて怖くて…」

虎太郎「じゃあ、俺等と入りゃよくね?」
清二「そうだね!一緒に行こ?」
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