若頭、今日もお嬢を溺愛する

杏子｢え？真弓ちゃんも、一緒に食べよ？｣
杏子が微笑み言った。

真弓｢でも…私はつり合わないし……｣
杏子｢無理は言わないけど、遠慮してるのならそうゆうのなしね！｣
真弓｢え？｣
笹美｢私達、そんなつもりで誘ってるんじゃないし！｣
笹美も真弓を真っ直ぐ見て言った。

真弓｢ありがとうございます。じゃあ…お言葉に甘えて｣


杏子｢何にする？｣

昴｢俺、親子丼！｣
虎太郎｢俺は…カレー｣
清二｢僕も、カレーにしようかな！｣
笹美｢私は、カルボナーラ！｣
杏子｢私は、おうどんにする｣
順に答え、杏子が真弓に向き直った。

杏子｢真弓ちゃんは？｣
真弓｢私は……｣
杏子｢ん？｣
真弓｢カツ丼…｣
杏子｢あ、美味しいよね！ここのカツ丼！｣
小さく答える真弓に、杏子が微笑み言った。

販売員｢あ、貴女、大盛りよね？｣
真弓｢え////？｣
学食の販売員が、真弓に言う。

昴｢へぇー、女なのによく食うんだな！｣
虎太郎｢てか！笹美もそうだろ！｣
笹美｢うん！カルボナーラとご飯ね！｣
杏子｢笹美、炭水化物だらけよ！｣
笹美｢いいでしょ？ストレス発散には、一番よ！｣
みんな、笑い出す。

杏子｢美味しそう！カツ丼｣
杏子が、真弓の大盛りカツ丼を見て言った。
真弓｢少し、食べますか？｣
杏子｢いいの？｣
真弓｢はい｣
杏子｢嬉しい！じゃあ…私のうどん少しあげる！｣
笹美｢あ！じゃあ、私のカルボナーラも！｣
杏子達が、それぞれシェアしだした。

昴｢女って、すぐシェアとかするよなぁ｣
虎太郎｢確かに！｣
清二｢僕達もする？｣
昴｢シェア？(笑)｣
清二｢そうだよ(笑)｣
虎太郎｢俺と清士、カレーなのに？｣
清二｢うん、でも昴くん、ほとんど親子丼なくなっちゃうね(笑)｣
昴｢確かに(笑)｣


学生｢真弓ーまた、大盛ぃ(笑)？
太っちゃうよぉー(笑)お金ないんだから、少食にしなよ(笑)｣
真弓の横を通りながら、女子学生が声をかけてくる。

真弓｢………｣
杏子｢真弓ちゃん、お友達？｣
真弓｢あ、高校の時のクラスメートです｣
杏子｢へぇー、こんにちは｣
杏子が学生を見上げ、微笑んだ。

学生｢真弓と仲良くしない方がいいよー！
この子ん家貧乏だし、お金せびられるかもー(笑)｣

杏子｢は？｣
真弓｢やめてよ！｣
杏子｢いいよ、別に｣

学生｢は？｣

杏子｢真弓ちゃんが、本当に困ってるなら……助けるわよ！それが、友達でしょ？｣
学生｢なっ…！！｣

笹美｢まぁ、そうね！｣
昴｢そうだな｣
虎太郎｢てことは、大学は奨学金？｣
真弓｢あ、はい。あとはバイトしながら……｣
清二｢そうなんだ。凄いなぁ。僕は恥ずかしながら、親にまだ甘えてるから｣

杏子｢私もそうだよ！｣
笹美｢私もー｣
昴｢俺も！｣
虎太郎｢まぁ俺は、親に借りてるけどな！少しずつ返す予定！｣

杏子｢悪いけど、私達お話中なの。真弓ちゃんのことけなすなら、外してくれる？｣
杏子は、学生を真っ直ぐ見上げて言い放った。