若頭、今日もお嬢を溺愛する
学生「な、何よ!!?」
そう言った学生は、近くにあった水の入ったコップを掴んだ。

そして杏子をぶっかけようとする。

が━━━━━━
パシン…!!とその手首を掴まれた。

学生「え━━━━!!!?」

雷十「お前、この手…何しようとした?」

そこには怒りに震えて、真っ黒な雰囲気を纏った雷十がいた。

学生「あ…す…すみません……!離して…下さ……」

雷十「は?離すわけねぇだろ?
このまま折ろうか?こんな汚ねぇ手……」

杏子「雷十!!」
雷十「はい」
杏子「やめて。離してあげて」

雷十「………はい」

雷十が離すと、その場にへたりこんだ学生。

雷十「次はねぇぞ。
次、俺の杏ちゃんを傷つけたら、殺す」
見下すように睨みつけ、雷十は杏子に向き直った。

雷十「杏ちゃん、大丈夫ですか?」
杏子「うん。大丈夫よ!ありがと、雷十。
…………てか!あんた、まだいたの?」

雷十「だってぇ。心配なんですもん!」
杏子「あんたのぶりっ子、可愛くないよ」
雷十「当たり前ですよ!杏ちゃんの可愛さには、敵いません!!」

笹美「雷十さんも一緒に食べましょうよ!」

杏子「は?笹美!変なこと言わないで!」
昴「いいじゃん!」
虎太郎「俺達も、構わないよ!」
清二「風間さんは、杏子ちゃんと二人で一つみたいなモノだし!」

杏子「ちょっ……昴くん達まで…」
雷十「じゃあ、お言葉に甘えて!」
結局、雷十も一緒の席についたのだった。


真弓「あの、杏子さん…こちらは……?
先生と知り合いなんですか?」

杏子「あ、これ…私の恋人なの」
真弓「そうなんですね」
杏子「雷十、新しいお友達の明田 真弓ちゃん」

雷十「杏ちゃんのこと、よろしくお願いします」

真弓「あ…は、はい!」
雷十は普通に見たつもりだが、真弓からすれば睨まれたようになり、ビクッと身体を震わせる。

杏子「雷十!真弓ちゃん、怖がってるよ!
睨まないの!」
雷十「睨んでません。警戒はしてますが…」
杏子「だからって……」

雷十「まぁ…女だからいいですが、男はダメですよ?」

杏子「はぁー、わかってるよ…」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
午後の講義が終わり、門に向かった杏子、笹美、昴、虎太郎、清二、真弓。

笹美「杏子、お茶して帰らない?雷十さん、仕事行っちゃったんでしょ?
真弓ちゃんもどう?
女子会ー!」

杏子「でも、昴くんとデートは?」
笹美「たまには、杏子とゆっくり話がしたい!真弓ちゃんともね!」

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