若頭、今日もお嬢を溺愛する
「そうよ」
「マジで…」
昴も驚いている。

「雷十さん、おっさんじゃん!」
「雷十さんは、杏子ちゃんの世話係じゃなかったの?」
虎太郎と昴が、心底不思議そうに言った。
「そうね。もう付き合って、半年くらいかな?」

「はぁぁ!?」

「でも雷十さん、チョーカッコいいよ!!」
「だからって、親子程の年の差があんじゃん!」

「え?関係ないじゃん!それは、杏子が決めることでしょ?私は、杏子のことずっと応援してきたからわかるけど、杏子…凄く悩んで決めたんだよ。
でも…本当に大好きみたいだから、私はずっと応援し続けるつもりだよ!
だから、やめてよ!杏子のこと、邪魔するの!
それに昴も虎太郎も、杏子がヤクザの孫とか関係なく友達でいるって約束してくれたじゃん!」

「あぁ、俺は杏子ちゃんの友達やめるつもりなんてねぇよ!笹美の親友だし」
昴が微笑み言った。
「………」
「虎太郎!お前、まさか!やめるなんて言わねぇよな?」
「大丈夫だよ、言わねぇよ…」

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「なんで、わかったの?ここにいるって」
「俺が杏ちゃんの事で知らないことはないですよ?
なーんでもお見通しですよ?
それよりも━━━━━」
腰を抱いたまま、グッと更に引き寄せた雷十。
そして顔を近づけた。

「な、何…////」
「や、く、そ、く!覚えてますよね?」
「だ、だって!言ったら、外に出してもらえないと思って……てゆーか!いいでしょ?昴くんと虎太郎くん位!」
「ダメですよ?俺以外の男と会う時は、ちゃんと事前に許可が必要です!それが、友人でも!」
「昴くんは、笹美の彼氏だよ?」
「でも……虎太郎は、フリーですよね?」
「そうだけど…」
「ダメですよ?俺に内緒なんて、もっとあり得ません!」
「わかったから////もう…許して…」
「え?」
「離れて…////」
(雷十の息がかかって、恥ずい…////)
雷十の香水と煙草の匂い。
整った容姿の雷十に見つめられ、雷十の瞳に自分が映っている。

杏子は恥ずかしさで、顔や耳まで真っ赤にする。

「フフ…杏ちゃん、可愛いー!
はぁ…可愛すぎて、このまま食べたい…」
「あんた、発言時々…変だよ。この変人がっ!!」
「口唇、食べていいですか?」
「は?
話を聞け!!変人!!」
「オヤジも大悟もいないので、いいですよね?
いただきまーす!」
口唇をハムッと甘く噛むように塞がれた。

「んんっ!!!」
「……ん…ご馳走さまでした…
行きましょ?俺の姫君!」

そして車に乗せられた、杏子だった。
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