お嬢様、いけませんよ
「美咲お嬢様の友達のお宅に着きます。もうすぐ着きますので降りるご準備を」


「はーい!ありがとうございま〜す!!」


『莉々ちゃん!今日はありがとう。めっちゃ楽しかったよ。またどこかに遊びに行こうね』


「も〜!美咲ったら。うちにまでそんな畏まらなくていーのに」


『えへへっ』


「可愛いんだから!!」



なにを言っているの?


莉々ちゃんの方が可愛いに決まってる



「ありがとうございました〜!」


「それではさようなら」


「は〜い!」


「美咲お嬢様」


『は、はい!なんでしょうか、?』



莉々ちゃんが車から降りてドアが閉まった瞬間に執事さん?に話しかけられた


その所為で緊張して噛んでしまった



「お嬢様はもう少し危機感を身につけて下さい」


『えっと…どゆことですか?』



危機感…?


私も常に色々なことに気をつけてる


だからそんなに欠けてることは無いと思うんだけど



「お嬢様は可愛いので攫われてしまうかもしれないんですよ」


『え?そ、そんな事ないですよ!莉々ちゃんの方が可愛いですし』



何を言い出すのかと思えば急に変なことを言われた


私が可愛いはずないのに


莉々ちゃんの方がずっとずっと。可愛いから


それに莉々ちゃんは凄くモテるからちょっぴり羨ましい時もあったりする


「はぁ…。鈍感ですか、」


『え?何か言いました?』


「いえ。何も言ってませんよ。今から旦那様方の住まわれている所へ行きますので」


『え?お母さん達は今お仕事だから家は留守ですよ?それにいつもお仕事で家にはあまり帰って来ないんです』


「はい。知っています。詳しくはまた後日話しますが、旦那様方はもう1つの家に住まわれています」


『えっ…もうひとつの家、?』
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