お嬢様、いけませんよ
『はっ、はい!す、すみません。ボーっとしてしまって』


「いえ。まぁ、無理もないですね。急に自分の親がお金持ちだと知ったら誰でもビックリはしますよ」


『そ、そうですか…』


「はい。それでは旦那様方の所へお連れ致しましょうか。」


『は、はい!』


「そんなに畏まらなくて良いですよ」


『そ、そう言われましても…』



し、知らなかった。


お母さんと、お父さんがこんなところに住んでいたなんて…


道理で滅多に家に帰ってこない訳だ…


私はお母さん達の何を知っていたんだろ


親のことを全然知らないなんて、自分に呆れちゃう


執事さんには大丈夫だ。普通だと、促されたけどやっぱり、悲しくなってくる


いや、悲しいと言うより、こんな自分にお説教してあげたいという感じ


お父さん、お母さんはずっとここでお仕事をしているのだろうか


ここで、どんな仕事をしているのか


だけどきっと凄くお金持ち、という事はきっと、ド庶民の私には想像もつかないことなんだろうと思う
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