不毛な恋模様〜傷付いた二人は、輝く夜空の下にて熱く結ばれる〜
余韻
合宿の後から、私は少しおかしくなっていた。
波斗先輩を探している自分がいるのだ。似ている人を見つけて落ち込んだり、本人を見つけてキュンとしたり。
これは体の関係を持ってしまったことが原因なのかしら……。
今も女の子たちに囲まれて話す波斗たちの姿を見ながら、紗世は少しモヤっとする気持ちの正体を探っていた。
初めての相手だし、情がうつったのかもしれない。
カフェテリアの少し離れた場所で紗世、千鶴、美琴の三人は昼食を食べながら、先輩たちの様子を眺めていた。
「大和先輩に女子が張り付いてる……」
「それを言ったら、波斗先輩と樹先輩にも張り付いてるよ」
「モテるのは前からだし仕方ないじゃない。それを承知で好きになって告白したんでしょ?」
「それに今は千鶴ちゃんの彼氏なんだし、自信持っていいんじゃない?」
「……だとしても嫌……」
「あらあら、ヤキモチね」
紗世が言うと、千鶴は口を尖らせふてくされる。
「だって……私から告白したし、私の想いの方が強いと思うの……。そう思うと不安になっちゃう……」
「想い強さは見えないからね。でも意外と大和先輩の方が大きかったりして」
「……それは絶対にない」
確かに想いの強さが見えたら、いろいろ自覚するのも楽なんだろうと思う。
曖昧な気持ちにどうしても名前をつけたくなるのはおかしいことだろうか。
波斗先輩を探している自分がいるのだ。似ている人を見つけて落ち込んだり、本人を見つけてキュンとしたり。
これは体の関係を持ってしまったことが原因なのかしら……。
今も女の子たちに囲まれて話す波斗たちの姿を見ながら、紗世は少しモヤっとする気持ちの正体を探っていた。
初めての相手だし、情がうつったのかもしれない。
カフェテリアの少し離れた場所で紗世、千鶴、美琴の三人は昼食を食べながら、先輩たちの様子を眺めていた。
「大和先輩に女子が張り付いてる……」
「それを言ったら、波斗先輩と樹先輩にも張り付いてるよ」
「モテるのは前からだし仕方ないじゃない。それを承知で好きになって告白したんでしょ?」
「それに今は千鶴ちゃんの彼氏なんだし、自信持っていいんじゃない?」
「……だとしても嫌……」
「あらあら、ヤキモチね」
紗世が言うと、千鶴は口を尖らせふてくされる。
「だって……私から告白したし、私の想いの方が強いと思うの……。そう思うと不安になっちゃう……」
「想い強さは見えないからね。でも意外と大和先輩の方が大きかったりして」
「……それは絶対にない」
確かに想いの強さが見えたら、いろいろ自覚するのも楽なんだろうと思う。
曖昧な気持ちにどうしても名前をつけたくなるのはおかしいことだろうか。