不毛な恋模様〜傷付いた二人は、輝く夜空の下にて熱く結ばれる〜

 大学二年の夏の合宿最終日のこと。外でバーベキューをしながら、皆楽しそうに過ごしていた。

 その最後の夜に、千鶴(ちづる)は嬉しそうに顔を赤くしてこう言った。

大和(やまと)先輩と付き合うことになったの」

 興奮しながら祝福する美琴に対し、紗世(さよ)は言葉を失った。

 あぁ、とうとうこの日が来たのね……。

 紗世は精一杯の笑顔を浮かべて、千鶴の顔を見る。

「おめでとう! 良かったね〜!」
「うん、ありがとう! これも応援してくれた二人のおかげだよ〜。でね、今夜は大和先輩と一緒に過ごしてもいいかな……?」
「……いいけど、付き合って初日に体を許しちゃダメよ」

 お伺いを立てるような様子の千鶴に対し、美琴(みこと)はしっかり釘を刺す。

「も、もちろん!」
「ならいいんじゃない? ねっ、紗世」
「……まぁせっかく合宿最後の夜だしね。私も美琴ちゃんと同意見かな」

 二人の言葉に千鶴は満面の笑みを返すのだった。

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