不毛な恋模様〜傷付いた二人は、輝く夜空の下にて熱く結ばれる〜
不安そうに尋ねる波斗が愛おしく感じる。紗世は波斗の首に腕を回す。
「私もしたい……」
しかしそこで波斗はガックリと肩を落とした。
「ゴムがない……そんなの持ってきたら下心丸出しかと思って……」
紗世は迷いながらも、波斗の耳元で囁いた。
「棚の引き出しに入ってる……」
紗世は恥ずかしくて両手で顔を覆った。
「もしかしたら今日そうなったらと思って買っただけだから……!」
「……俺とそうなるかもって思って買ってきたの……?」
「……私がそうだったから、こういう慰め方が思いついただけ……」
「こうなってもいいって思ってくれてたってこと……?」
「……知らない」
なんでこんなに嬉しいんだろう。わからないけど、すごく心が満たされていく。
「ちょっと待ってて」
紗世が指差した引き出しを開けると、コンドームが一箱入っていた。それを見て波斗は吹き出す。紗世ちゃん、買う時恥ずかしかっただろうな……。自分のために買ってくれたと思うと嬉しくて、紗世が愛おしくなる。
箱ごと持っていき、紗世の上に覆いかぶさるように抱きしめた。
「一箱あった……」
「……たくさんあった方がいいのかって思って」
「前は3回だったよね。これ今晩で使い切れるかな?」
「それは今後……」
「今後?」
「もう……意地悪……」
紗世はうつ伏せになって、枕に顔を埋めた。そのまま動かない。
かわいいなぁ……波斗は紗世のワンピースの裾から手を差し入れると、彼女の肌の上を滑らせる。
「紗世ちゃん、こっち向いて。顔を見せて」
波斗が言うと、紗世はゆっくり仰向けになる。不機嫌そうな顔がまたそそる。
紗世の唇を塞ぎ、彼女の息遣いすら飲み込みたい欲求に駆られる。
「紗世ちゃん……俺のことを受け入れてくれてありがとう」
紗世がようやく笑顔を見せてくれた。
波斗の中で理性の糸がプチンと切れる。慌ててコンドームの箱を開け、一つ取り出す。
紗世が辛くないように、何度も何度も愛撫を繰り返し、紗世の中に身を沈めていった。