不毛な恋模様〜傷付いた二人は、輝く夜空の下にて熱く結ばれる〜
* * * *

 次にする時は、愛のあるセックスがいいって思っていたはずなのにな……。

 紗世は優しく頭を撫でられる感覚で目が覚める。目を開けた途端、額にキスが降ってくる。

 なんて甘い目覚めかしら。これまで何度も波斗先輩の隣で目覚める夢を見てきた。最後にキスしてドアが閉まって目が覚める……。

 先輩が卒業して離れてしまえば、この気持ちもきっと消えて、いずれ新しい恋をすると思っていた。だってそばにいない人にときめくなんて出来ない。

 それなのに彼はいつまでも心の中から消えなかった。

「おはよう、紗世ちゃん」
「おはようございま……んっ……」

 波斗に唇を塞がれ、彼の指がゆっくり紗世の敏感な部分を弄る。

 紗世の寝顔を見ながら、波斗は更に湧き上がる欲望を必死に抑えていた。

「先輩……?」
「……していい?」

 こんなに気持ちを煽られて、紗世は断れるわけがなかった。

「いいよ……」

 慰めているのか、ただ快楽に酔っているのかわからなかった。ただ求められることが幸せで、いつまでも繋がっていたいと思った。
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