不毛な恋模様〜傷付いた二人は、輝く夜空の下にて熱く結ばれる〜
幸せの途中
波斗と付き合うようになってから二年が過ぎようとしていた。
最近は千鶴の結婚が決まったり、美琴が三年前に関係を持った男性と再会して付き合うことになったりと、紗世のまわりは忙しなく変化していた。
しかしそれは紗世も同じだった。
* * * *
いつもの起床時間よりも早く起きると、紗世はトイレに向かう。中に入ると鍵をかけた。
収納の端にこっそり隠していた紙袋を取り出し、中を開ける。
妊娠検査薬。まさか結婚前にこれを使うことになるなんて思わなかった。
生理が予定日に来なくて、更に二週間が過ぎた。怖くて仕方ないけど、まずはきちんと確認しなければならない。
波斗にはまだ言えていなかった。もし彼を困らせる結果が出たらどうしよう……悪い方にばかり考えてしまう自分が嫌だった。
箱から検査薬を取り出して、説明書通りに進めていく。ただ、結果を示す窓は親指で隠した。結果はすぐに出ると書いてあったけど、不安で見るのを躊躇ってしまったのだ。
最近は千鶴の結婚が決まったり、美琴が三年前に関係を持った男性と再会して付き合うことになったりと、紗世のまわりは忙しなく変化していた。
しかしそれは紗世も同じだった。
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いつもの起床時間よりも早く起きると、紗世はトイレに向かう。中に入ると鍵をかけた。
収納の端にこっそり隠していた紙袋を取り出し、中を開ける。
妊娠検査薬。まさか結婚前にこれを使うことになるなんて思わなかった。
生理が予定日に来なくて、更に二週間が過ぎた。怖くて仕方ないけど、まずはきちんと確認しなければならない。
波斗にはまだ言えていなかった。もし彼を困らせる結果が出たらどうしよう……悪い方にばかり考えてしまう自分が嫌だった。
箱から検査薬を取り出して、説明書通りに進めていく。ただ、結果を示す窓は親指で隠した。結果はすぐに出ると書いてあったけど、不安で見るのを躊躇ってしまったのだ。