天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
 このまま自分の部屋に連れ帰って、あの細いうなじにキスをしたい。
 そして白い肌の上に俺の物だという印を残したい。

 そんな欲望が込み上げる。

「里帆は明日も遅番?」
「いえ、明日は休みですけど……」
「じゃあ、これから俺の家に行こうか」

 そう言って見つめると、「行きません!」とはっきりと拒否された。

「どうして?」
「付き合ってもいない男の人の部屋に行くほど軽くないので」

 つんと澄ました彼女を見て、小さく肩を上げて笑う。

「今更だろ。パリであんなに何度も俺に抱かれたのに」
「だから、そういうことを言わないでくださいっ」

 小声で言って俺を睨んだ。大きな瞳が動揺のせいかわずかに潤んでいて色っぽい。

「それとも、あの夜満足できなかったから、もう俺とは寝たくない?」
「そ、そういうわけじゃ……っ!」

 慌てて否定した彼女に向かってにっこりと笑う。

「じゃあ、満足してもらえたんだ?」

 彼女は反論できず、涙目でこちらを睨む。
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