天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
「自分でも気が早すぎるとわかってる。それでもどうしても伝えたかった」

 動揺する私を抱き上げたまま、翔さんは愛の言葉を続ける。

「操縦桿を握りながら、無事に帰れたら絶対に里帆にプロポーズしようと思ってた。どれだけでも待つなんて言ったが、俺にはもう里帆のいない人生は考えられない」

 私を愛おしそうに見つめながらそうささやいた。
 その優しい視線に胸が熱くなる。

「この状況でそんなことを言うなんて、ずるいです」

 私はあふれそうになる涙を必死でこらえながら翔さんを睨んだ。

「プロポーズの答えは?」

 ねだるように私を見上げる。
 自信に満ちた色っぽい表情でこちらを見つめる翔さんは、ずるいくらいかっこいい。

「そんなの、断れるわけないじゃないですかっ」

 そう言って、私は怒りながら翔さんの肩に顔をうずめ抱き着く。

「私だって、翔さんのいない人生なんて考えられません……」

 言いながらこらえていた涙があふれてきた。
 熱い涙が頬を伝い落ちていく。

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