天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~

 翔さんは私の髪に顔をうずめながらささやく。

「お互いになにも知らないまま別れても、俺は里帆を探し出すよ」
「日本のどこに住んでいるかも知らないのに、再会できるとは思えないですけど……」
「悪いけど、俺は自分の運の強さには自信がある」

 翔さんはそう言うと、私の頬をなで、唇を塞いだ。
 ベッドの中で何度もキスを繰り返す。

 唇だけじゃなく、頬や首筋や肩先……。
 体中にキスが降ってくる。

 くすぐったくて身をよじると、逃がさないというように大きな手が私の後頭部を包んだ。
 鼻先をこすり合わせるようにキスを繰り返し、唇が離れるたびに笑い声が漏れる。

 そのとき、遠くでまた鐘が鳴った。
 ふたりで動きを止め、鐘の音に聞き入る。

 礼拝が始まる合図なのかもしれない。

 しばらく外を眺めていると、翔さんが私を強く抱きしめた。

「俺がプレゼントしたチャームを目印に探しに行くから、大事に持っててくれ」


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