スパダリ医師の甘々な溺愛事情 〜新妻は蜜月に溶かされる〜
「あの男、いつも俺の先ばかり行きやがって。蓮見が常に1番でいるせいで、俺は首席も取れず家でバカにされてばかりだった。だから当てつけに色んな女犯したりしてたんだけど、それがいいストレス発散になってさ」

「…………っ最低」

「あはは、ようやく喋ってくれた。俺の親父は医療関係でも重要なポストについてるから何をやっても隠蔽してくれるんだ。まあ身内の不祥事で自分の立場が脅かされるのを恐れてなんだけど」

 とうとう背中がヘッドボードにぶつかり、逃げ場がなくなる。私は歯を食いしばり、できる限りの敵意を含めた視線を送った。

「だから今回のこともなかったことにしてくれる。綺麗な女の子とも遊べるし、蓮見の奥さんも寝取れるし一石二鳥じゃんね」

「……人を助けるお医者さんの言葉とは思えませんね」

「俺、別に医者になりたくてなったわけじゃないし、元々そういう価値観に縛られるの嫌いなんだよね。第一、医者がみんな善良だと思ってるなんて頭お花畑もいいところだよ?」

 バカにするような嗜虐な視線を向ける梅本に鳥肌が立った。この男は根っからの悪党なんだと感じた。

 私はこの男にこれから犯される。
 啓一郎さんにしか見せたことのない場所を無理矢理こじ開けられ、穢されるのだ。

 そう考えると恐怖と絶望で頭がおかしくなりそうだった。
 歯がガチガチと噛み合い、顔から血の気が引いた。
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