スパダリ医師の甘々な溺愛事情 〜新妻は蜜月に溶かされる〜
 私は心のうちの全てを啓一郎さんに伝えたいと思った。愛された分だけ、啓一郎さんを愛したいと思った。

 啓一郎さんの心が満たされ続けられるよう、愛情を注ぎたい。もう何も怖いことなんて起きないのだと安心していられるように。

 私は自ら啓一郎さんの唇に己のそれを重ね合わせる。啓一郎さんの手はショーツの中に入り込み、いやらしい水音を立て続けている。
 思わず口元から嬌声が溢れそうになるも、全て蓋をするようにキスを落とされる。

 赤い膨らみをなぞり上げていた指が下へと移動し、くちゅり、と音を立てて内部に侵入する。いまだ狭いそこはたったの一本でさえ圧迫感を感じる。

「な、中だめっ!」

「紗雪のここはダメって言ってないよ。狭くて柔らかくて、きゅうきゅう俺の指を締め付けてる」

 身体の中を掻き回され、悦楽が最高潮に達すると私の頭は真っ白になった。このときはいつもなにも考えることが出来ず、ただ快楽を享受するだけの獣と成り果てる。

 肩で息をする私にキスを落とし、啓一郎さんは私の履いていたパジャマとショーツを膝まで下ろす。そして両足を抱え込むようにしてその中央に先端をあてがった。

 啓一郎さんの全てが私の中を満たしてくれると心の中も一緒に満たされる。
 互いに獣のように貪り合うと、額に汗が滲む。私の理性はいつしか快楽に押し流され、啓一郎さんをただ求めることしかできなかった。

 私たちはそのまま何度も求め合った。互いの隙間を埋めるようにぴったりと寄り添い、幾度もキスを交わした。
 甘いひとときを終えた私たちは汚れた身体で寝るのは忍びないと入浴をし、ベッドへと入り込んだ。
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