スパダリ医師の甘々な溺愛事情 〜新妻は蜜月に溶かされる〜
 待ち遠しく思っていたその日は雲ひとつない晴天だった。

「大丈夫ですかね……こんな華やかなウエディングドレス本当に私なんかに似合いますか?」

「大丈夫ですよ。とてもよくお似合いです。きっと旦那様も惚れ直されるでしょう」

 私は控え室でドレスを見に纏いながら鏡を見ながら不安を口にした。
 それに対してウエディングプランナーの方や手伝いに来てくれた友人たちは励ましの言葉をくれる。

 私の着用しているドレスは繊細なグリッターが透け感のある布地についている総レースデザインのものだった。ふんわりとしたチュールに花の刺繍が施してあるところがかわいい。

 ……あまりに可愛すぎて着せられている感を感じてしまうのはネガティブ過ぎるだろうか。

 一世一代の大舞台。
 もう少し自信を持って楽しみたいのに、まるで初めてバレエの舞台に上がる子どものように緊張していた。

「それじゃあ────」

 移動しましょうかと口にする前に部屋の扉が開かれる。
 いきなりのことで驚いた私は思わず扉に目を向けた。
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